2023年 日本大会の結果について

第10回脳科学オリンピック(ブレインビー)日本大会
2023年の日本大会の結果について

“International Brain Bee” は脳科学に関する知識を競う、中高生のための脳科学分野の “オリンピック” で1999年に米国で始まりました。中高生が脳科学に親しみ、将来的に神経疾患等の原因解明や治癒に向けて神経科学の道に進むひとつのきっかけとなることを目的として毎年開催されています。
毎年30ヵ国以上の国・地域の中高生が参加し、各国の予選を勝ち抜いた代表が “International Brain Bee” の本選に派遣されます。基礎的な脳科学の知識や、知能、感情、記憶や視覚といったトピックからアルツハイマー病、脳卒中、統合失調症等の疾患に関するトピックまで幅広いテーマに関する知見が問われます。日本での国内大会は日本脳科学関連学会連合(脳科連)が主催し、NPO法人脳の世紀推進会議日本神経科学学会が共催する形で実施されています。脳の世紀推進会議は2014年大会から継続してこのプログラムを共催しています。

 

第10回脳科学オリンピック日本大会は、2023年4月にCBTで行われた予選参加者のうち、上位8名を予選通過者(入賞者)とし、6月18日に日本代表と最終順位を決めるファイナル試験を対面で行いました。その結果、以下の順位が確定いたしました。なお、この入賞者8名は、第46回日本神経科学学会大会(8月1~4日@仙台)に招待され、期間中に表彰式が行われました。また副賞として、ベアーら(監訳:藤井聡)の「神経科学 脳の探求(改訂版)」(西村書店)と大隅典子著「小説みたいに楽しく読める脳科学講義」(羊土社)が授与されました。

 

入賞者のうち、希望者には、海外の大学を卒業した脳科学五輪OB・OGと対話する「留学相談懇談会」、ラボ見学会などの機会が与えられています。NPO法人脳の世紀推進会議は日本脳科学関連学会連合、および同連合会員学会とともに、今後も、入賞者たちが、最新の脳科学の現場に触れる機会を作って参ります。

第10回脳科学オリンピック日本大会の最終順位は以下の通り(敬称略)です。
おめでとうございます!

 

1位 松柳 佳奈 (日本代表)
2位 都築 啓太
3位 淵上 理音
4位 島田 和佳
5位 鳴神 諒
6位 松本 恋実
7位 守安 巧
8位 栗秋 健吾

 

これまで、本大会を温かくご支援くださってきた脳科連会員学会の先生方(特に入賞者全員の大会ご招待と当日副賞の本をご提供くださった日本神経科学学会(および同学会大会組織)の先生方)、副賞として今後の勉強にも役立つ素晴らしい神経科学の教科書をご提供くださった西村書店様ならびに羊土社様、入賞者のうち希望者対象の留学経験者懇談会で貴重な留学体験を共有してくださった日本大会OGの浦野瑤子さん(プリンストン大学2023年卒)、ラボ見学、学会イベントなどにご協力いただいた(あるいはこれからお引き受けいただく)大学・研究施設の先生方に深く御礼申し上げます。

脳科学オリンピック日本ナショナルコーディネーター  奥村 哲

第46回日本神経科学学会大会(8月1日)で行われた表彰式の様子

後列 向かって左から
小林和人大会長、栗秋さん、守安さん、都築さん、鳴神さん

前列 向かって左から
奥村哲BBナショナルコーディネーター、島田さん、松本さん、淵上さん、松柳さん、山中宏二JNS理事長

2023International Brain Bee 世界大会に出場した日本代表の松柳佳奈さん

松柳さんは、オンラインで開催されたIBB世界大会(7月31日~8月5日)でも、出場国33か国中、上位14位の代表だけが進出できる最終のライブジャッジングセクションセッションに進み、2問誤答した人が脱落していく勝ち抜き式のルールで、最後の9名に残る優秀な成績を修めました(総合順位13位でした)。